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着用イメージ
シリコン×ダイナミック・スピーカー
ご存知の通りバランスドアーマチュア(BA)型スピーカーとは違い、ダイナミック・スピーカーには振動板の前後に空気が必要です。そのためそのままでは充填されたシリコンの中に入れられません。D2ではスピーカーを特別に設計された筺体の中に入れて、その筺体をシリコンに埋め込むと言う方法を採用。振動板の背面のエアーも外部へのベント(空気穴)を設置して確保しています。
今回開発されたダイナミック・スピーカーは外径で5.0mmととても小さい設計ですが、その音質はフルバランスでクオリティの高い音質を確保しています。驚くべくことはとても5.0mmのスピーカーが出している低音とは到底思えないでしょう。
解像度もダイナミック・スピーカーとしては相当高く、そのドライバーを2機内蔵させる仕様です。ユニットケースから出てきた音は音響フィルターを通して外耳道部分のシリコン内部に設置された音響空洞の中に放出されます。これによりBA型では得られにくかったグルーブ感が高まっています。
まるでコンサートホールやライブ会場に居るような心地よさを体感できる事でしょう!
柔らかいモールドが優れた音質の秘訣
遮音効果の高いシリコン製イヤホンは、微妙な隙間でも音抜けがしやすい低音域の減少を最大限防止し、低~高音域帯までその音楽が持っている本来の音質バランスで聴くことができます。
ダイナミックスピーカでは振動板が小さくなると特に低音の音質に不足感を持つことが多くあります。D2の注目すべき点は、今回開発された音楽用で世界最小クラスのダイナミック・スピーカーが低音を強く出せるという能力だけでなく、シリコンの大きな防音効果と音質効果により十分すぎる低音と理想的な音質を確保していることなのです。
なぜ加工の難しいシリコンモールドで製作をするのか
では、シリコン製のイヤホンは何故、他素材のものより優れているのか?それは柔らかさに秘訣があります。遮音効果を上げるのに最も有効なのは何よりも隙間をなくすことです。
固いプラスチック素材では強く耳に押し込めば痛みが出るのは当たり前です。そのため、密着させるのには限界があります。柔らかいシリコンは大きめに作っても痛みが出にくく、隙間なく本来の耳の形状で作製する事ができます。
更に遮音効果が飛躍的に高まるのは外耳道第二カーブから先を造形する事ができる点が最大の特長です。ここは硬い頭蓋骨内に位置してとても痛みが強く出てしまう部位なのでハードシェルでは触らないようにしますが、柔らかいシリコンだと逆に硬い骨に圧迫を加える事で大きな遮音効果を得られます。センサフォニクスが硬いプラスチック製のIEMをやめてシリコン製のIEMに進化させたのも、これが大きな理由です。
このシリコン製のIEMは弾力としなやかさで耳に強くフィットし、耳本来の形で造られたソフトシェルは、耳の中でズレることがなく、着けているのを忘れるほど自然で心地よい装着感 が得られます。
センサフォニクスが作るシリコン製品の遮音性能
Sensaphonics(センサフォニクス)が作るシリコン製品の遮音性能は、現在耳の部位で実際的に音をシールドできる最大の方法です。飛行機の下で働く整備員が付けているイヤマフ(ヘッドフォン型)が約20~25dB程度の遮音量とされています。プラスチック製のものでもフィットが良い場合では最大で約20dB前後の遮音量を実現できることがありますが、シリコン製では平均で34dB(オクターブバンド・・・ある周波数からその2倍の周波数まで)を実現しています。8000Hzではなんと驚異的な45.5dBの遮音量を確保しています。
特に注目すべき点は、遮音するのが難しい低音域帯、例えば125Hzの場合でも31.9dBの遮音量が実現できているということです。
この実効的な遮音量を見れば、NASAの宇宙飛行士やモータースポーツのドライバーが利用するというのもうなずけます。
つまり世界最高のイヤモニ製造技術がオーディオ用に使われると言う事です。
カスタム創生メーカーが贈る自身の耳型で造るイヤフォン
プラスチックなどで造られた既成の筐体にドライバー(音源発信機)を入れたイヤフォンに対し、個人の耳型を採取して、筐体をその個人の形状に合わせてオーダーメイドで作製した製品をカスタム・イン・イヤー・モニター(カスタムIEM)と呼びます。これは、それまで本人の耳の形状で作製する音楽用イヤフォンという概念が日本にはありませんでした。そのため2004年にSensaphonics Japan (現ジェイフォニック社)が日本で初めてのイヤモニを国内生産・販売をするに際して製品の特徴を顕す名称として名付けたカテゴリーでした。以後日本では耳型を採取して作られる製品をすべて「カスタム」と呼ぶようになっていきます。
ちなみに本来イン・イヤ・モニター(IEM)はアーティストが自身の演奏をモニターするための機器であり、“モニター”とは本来ステージ上の演者の足許に置いてあるフットスピーカーのことです。現在多くのメーカーから出される一般の音楽鑑賞用カスタムイヤホンもカスタムIEMの名称で呼ばれていますが、プロ用のモニターは演奏を《解析する》もので、音楽鑑賞用は《楽しむため》の機器で、その目的は大きく異なっています。当然音質設計も変わってくるので、プロが使っているから観賞用に適しているという訳ではありません。
一方、カスタムの良さはその人の耳の形で成形することなので、これはアーティストも一般でも違いがなく、ともに有効な仕様です。この良さを最も発展させたものがシリコン成形のIEMということです。そしてNASAの宇宙飛行士や佐藤琢磨選手などのレーシングドライバー向け、マイケルジャクソンなどプロアーティスト向けなどの業務用にしか提供されていなかったこの成形技術が、初めて一般のオーディオ用に利用されたものがD2なのです。
自分専用のカスタムイヤホン
シリコンカラーは用意された各色で作ることができます。さらに色をミックスしてマーブル状の模様を描くこともできます。この模様は偶然の産物。その時々で変わり同じ模様は二度と造れません。イヤモニの外形もあなたの耳の形状で造られますカラーの組み合わせも三色まで自由。
形も模様も文字通り世界で唯一のイヤホンが実現できます!
選べるケーブル(注文時に選択)
基本系のシリコンモールドとの一体型のノーマルケーブルには、黒色系・透明銀色系の2色があります。また、オプション加工で、シリコンモールドと脱着が可能な交換式のMMCXケーブル(透明銀色系の1色)にバージョンアップすることができます。
選べるケーブル(オプション)
MMCXリケーブルモデルにて製作すると、ケーブルの取り外しが可能になります。間違っても使用中、不用意に外れてしまうようなケースが無いように考慮され、米国、日本のプロミュージシャン、エンジニアを交えて、実験を繰り返し実施し、その効果を実証しました。
このMMCXリケーブルモデルにSHURE社のBluetoothケーブルを接続することでワイヤレス仕様となります。イヤホンジャックの無いスマートフォンでも安心してお使いいただけます。
【仕様】
ドライバー:ダイナミックドライバー 2機(片耳/左右合計4機)
シェル:メディカルグレードシリコン(医療工学用シリコン)
付属品:ペリカンケース、シャツクリップ、クリーニングツール、製品仕様書、保証証
- 通常使用による不具合につき一年間の無料修理保証付 –
シリコンカラー全色無料加工(単色加工、ミックス加工3色まで、左右別カラー可能)
【製品スペック】
Frequency Response(周波数レスポンス):20 – 16,000Hz
Impedance(インピーダンス):19 ohms nominal
Sensitivity(感度):101dB-SPL(@ 0.1V)
Isolation(隔離:遮音性能):Up to 45.5dB; broadband average 37dB(最高45.5dB、広周波数帯域(注1)平均37dB)
Noise Reduction Rating(騒音低減評価:騒音低減率):NRR 29dB(注2)
【ご注意】
SHURE社のBluetoothケーブルの付属販売はありませんので、ご利用の方はオーディオショップもしくは家電量販店等でご購入下さい。
D2では弊社のMove InterLock機構をオプション加工で設置できません。
カナルの先端には同機構と同じシリコンのしなやかさを上げ、フィット感の上に効果のある音響空洞(共鳴孔)が標準(無料)で設置されます。
【遮音性能・NRRについては、米国ペンシルべニア州立大学に付帯するステートカレッジの音響研究所であるマイケル&アソシエイトにより独立したテストを受けた公認計測数値です。】
(注1)広周波数帯域
最高周波数と最低周波数の幅
(注2)騒音低減率(NRR)
騒音低減率((ノイズリダクションレート:NRR)とは、米国環境保護庁(EPA)が開発した騒音低減評価(NRR)という作業環境内での騒音暴露を低減するための聴覚保護具の有効性を判断するために使用される測定単位です。デシベル(dB)で表記され、ノイズを減らす可能性によって分類された聴覚保護具は米国・労働安全衛生局(OSHA)に従って米国規格(ANSI:米国国家規格協会)によってテストおよび承認されなければなりません。聴覚保護具に付いているNRRの数値が高いほど、騒音を減少させる可能性が高くなります。
EPAは、製造業者に対し、すべての非カスタム耳栓に騒音低減率(NRR)を印刷することを要求しています。カスタム聴覚保護具において、正しく挿入された実際の臨床測定は、これらの実際の耳のすべての周波数でほぼ等しい音の低減を提供しています。NRRを決定するために使用される必要な式には、個人のばらつきと、指示どおりに耳の保護具を着用していない人の調整が含まれています。